意思伝達装置の勉強会をしました

 意思伝達装置は、コミュニケーションが困難な人々が自分の意思や感情を他者に伝えるために使用する支援機器です。これは特にALS(筋萎縮性側索硬化症)や脳性麻痺、重度の運動障害を持つ方にとって重要なツールとなります。

 例えば、ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの病状が進行すると、話すことや手を動かすことが難しくなるため、コミュニケーションツールの活用が必要不可欠です。今回は、これらのツールの重要性とその知識を持つことの利点についてご紹介します。

コミュニケーションツールの重要性

1. 生活の質の向上

 ALSなどの疾患により、今まで出来ていたことが出来なくなるということは、とても恐ろしいことです。自分の気持ちを他者に伝えられないという状況は、社会生活への参加が制限され、生活の質が大きく低下する可能性があります。コミュニケーションツールを活用することで、日常生活での意思疎通がスムーズになり、自分の意思や希望を伝えやすくなります。

2. 自立のサポート

 コミュニケーションツールは、自立した生活を送るための大きな支えとなります。意思伝達装置を使えば、自分の意思を他者に伝えることができ、支援者に依存する度合いを減らすことができます。これにより、自己決定権を持ちながら生活を送ることが可能になります。

3. 社会的つながりの維持

 コミュニケーションツールを利用することで、患者は家族や友人、医療スタッフと効果的にコミュニケーションを取ることができます。これは、孤立感を防ぎ、社会的なつながりを維持するために非常に重要です。メールやSNSを通じて外部と繋がることで、社会参加が促進されるだけでなく、仕事も続けられる可能性もあります。

コミュニケーションツールの知識を持つことの重要性

1. 利用者への提案とサポート

 コミュニケーションツールの知識を持つことで、医療従事者や介護者は利用者様に適切なツールを提案し、使い方をサポートすることができます。すでに訪問看護・訪問リハビリをご利用の方は、スタッフにお声がけいただければ、担当スタッフへ引継ぎさせていただきます。病院に入院中の方は、入院先の病院で福祉機器の紹介をしていただけます。また、相談については市区町村障害福祉担当課で受け付けています。

2. 早期導入の促進

 早期にコミュニケーションツールを導入することは、利用者様がスムーズにツールを使いこなせるようになるために重要です。申請から機器提供までに1.5~3ヶ月かかるため、早めの導入が利用者様の生活の質を早期に向上させ、適応期間を短縮する効果があります。

まとめ

 ALSなどの疾患を持つ方にとって、コミュニケーションツールの活用は非常に重要です。これらのツールは、生活の質の向上、自立のサポート、社会的つながりの維持に貢献します。医療従事者や介護者がこれらのツールについての知識を持ち、適切に提案・サポートすることで、利用者様の生活を大いに改善することができます。

 ひさご訪問看護リハビリステーションでは、ご検討の利用者さまと一緒に考えながらコミュニケーションツールの紹介や導入、活用を通じて、より豊かで充実した生活を提供できるよう努めてまいります。